#9 助産院で産むという選択

ここでは私の出産経験から「助産院で産む」という選択についてご紹介したいと思います😊

妊娠がわかり、近くの産婦人科に検診に通い始めると、どこで出産をするか?を考え始めますよね。

・センター病院(難しい出産を救う高度医療の病院、NICU等があるような大きい病院)

・個人産院、クリニック(産婦人科医院とかレディースクリニックとかの名前がついている所ですね)

・助産院

・自宅出産

等がありますね。

このなかで、妊婦さんの99%が大きい病院か個人産院・クリニックで出産されていて、

全体の1%の妊婦さんが助産院・自宅で出産されているようです。

助産院と聞くとなかなか馴染みがなく、中には「助産院ってなに?初めて聞いた」という人もいるほど。

「助産院で産む」という選択肢は今の時代あまり皆さんに浸透していないようです。

思い込みや知識不足から「助産院で産む」という選択肢をいつのまにか除外してしまってはもったいない!!

とっても、とっても、とっても、良い場所だったので、私が出産した場所・助産院をご紹介します。

といっても、出産というのは十人十色さまざまで、ある人にとってはメリットでも、ある人にとってはデメリットとなったりします。なにもかもが全てのケースに善し悪しで当てはまるわけではありませんので、さまざまな情報を見聞したうえで、ご自身にふさわしい出産の在り方というものを選択して頂けたらと思います。

ということで、この回は実際に私たちがお産をした助産院(バースあおば)での体験談と、今回のブログのために助産院を改めて撮影した写真付きでお話をまとめました。

赤ちゃんを授かったママさん・パパさんへの一助になればうれしいです😊


◯助産院とは

助産院とは、「ナチュラルバース(自然なお産)」という共通の目的に向かってママと助産師が一緒になって準備をし、ママと赤ちゃんが持つ自然の力でお産を迎える、そういう場所だと言えます。

助産院は病院やクリニックではありませんので、どうしても医療行為ができません。

ですが、必ずどの助産院にも嘱託病院がありますので、万が一、母子になにか異常があればすぐにその嘱託病院へ搬送できる態勢が整っています。

通常病院での出産は妊産婦に様々な選択肢があるゆえに、時として自助努力を怠りがちになってしまうことがあります。

私は、出産はフルマラソンに似ていると思っています。

一つのゴールに向かって走り続けるフルマラソンは、安全に完走する為に何ヶ月も前からトレーニングをし、体力をつけながら少しずつ走る距離を伸ばし、ペースメーキングや息づかいなどを身体に覚えさせて本番に挑みますよね。

出産も、ママのカラダと赤ちゃんのカラダのことですから、本来はそうあるべきです。

陣痛促進剤も無痛分娩も、必ず免責同意書へのサインを求められますが、赤ちゃんを自然な形で産むことにサインは必要ありません。

助産院は、自然で安全な出産をママと赤ちゃんと共に目指す場所です。


◯助産院ではこんなことをするよ

病院と変わらない機器や設備があり、もちろんエコーでお腹のなかの赤ちゃんも見られますしエコー写真ももらえます。

通院中にお世話になる様な設備・機器は基本的に病院と変わらないのではないかなと思います。

 
助産院の診療室(バースあおば)

助産院の診療室(バースあおば

 

加えて、助産院に通いだすと徐々にわかってくるのですが「陣痛促進剤や無痛分娩などの医療行為ができない」というネガティブなスタンスではなく、あくまでもポジティブに「医療行為をやらなくてもいい出産をする。その為のカラダをつくる」ことをだんだんと理解してきます。

ですので、出産までの通院中は毎回の検診に加え、体の血の巡りが良くなるようなマッサージ(テルミー温熱療法)をしてもらったり、身体を温めるためや陣痛を促す為の鍼灸の相談、簡易サウナ等で冷えを改善します。

人間が本来持ってる身体の機能で出産をするという知識を与えてくれます。

さらにそれらのことを自宅でもできる様に丁寧に伝授してくれます。

冒頭にマラソンで例えましたが、本番までにカラダをつくることが何よりも大切です。

通院して受動的に経過報告だけを受けるのではなく、助産院は母子と共に「産むためのカラダをつくる」、その目標に向かって様々なことをします。

私たちが出産をしたバースあおばでは、予定日近くになると同じ頃合いのママさんたちと一緒に斧で薪割りもします。

大きいお腹の臨月妊婦4人で、1本の斧を回し合い、薪を3時間近く割り続けました。笑

薪割りの際の腰を落として身体全体で力む一連の動作や呼吸が出産時の力の入れ方とほとんど一緒なのだそうです。

実際やってみたら「ほー、なるほどな」という感じでしたよ。

他にも同じ臨月のママさんたちとウォーキングに行ったり、草むしりをしたり、床拭きをしたり、途中お弁当休憩も挟みながら雑談もして仲良くなったので、そのときのママさんたちとはまるで戦友のように今でもお付き合いがあります。

◯助産院で産むことのメリット

一番大きなメリットは冒頭にも書いたように、出産に臨むためのカラダづくりと産後母になる心づくりの観点からとてもメリットがありますが、それ以外にもたくさんのメリットがあります。

出産する場所は畳のお部屋で、これはだいたいどこの助産院でも同じかなと思います。

 
助産院のお産室(バースあおば)

助産院のお産室(バースあおば

 

病院だとベッドの上で足を広げて、仰向けになって、腹筋をするような姿勢しかとれませんが、助産院だと、どんな体勢で産んでもオッケーなのです。

ママが楽だと思う体勢なら、仰向けでも、四つん這いでも、横向きでも、椅子に座る体勢でも!

ちなみに私は、左を向いた横向きで、右足を研修中の学生さんの肩に乗せて出産しました。笑

そしてそこではご家族誰でも立ち会いが自由なのです。

これは医療行為を前提にしていないからこそできる助産院の大きなメリットです。

パパもおばあちゃんも、子供も、親戚の叔母さんも、従兄弟も、親友も、誰でも立ち会い自由なのです。

みんながママと一緒に「がんばれーがんばれー」って出産を見守ってくれます。

ママが振り向けば、いつも見ているみんなの顔がすぐそこにあります。

すぐ横にいる信頼できる人たちの存在は、本当に心強く、安心できる空間でした。

そして、産後の入院は完全な個室で、だいたいそれはまるで実家の一間のような素朴で温もりのあるお部屋です。

 
産後、赤ちゃんと寝泊まりするお部屋(バースあおば)

産後、赤ちゃんと寝泊まりするお部屋(バースあおば

 

アットホームな助産院であれば、ご家族が一緒に寝泊まりすることを許してくれるところもあります。

特に、上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいてまだ2~4歳だったら、夜はまだママと一緒に寝たい年頃ですから「ご一緒にお休みください」と言ってくれる場合もあるようです。

検診時も、お兄ちゃんお姉ちゃんが一緒に行っても嫌な顔されません。バースあおばの場合、ロビーにおもちゃもあるし、研修生の学生さん達もいるのでたくさんの人が見守っていてくれます。

出産後の面会の方への制限や時間帯も病院とは違って緩やかです。

赤ちゃんがママの傍からいなくなることもありません。

だけどもし自分の手に負えなくなったら、助産師さんがすぐに来てくれて赤ちゃんを抱っこしてくれます。

はじめは母乳が出にくいこともあるので、おっぱいマッサージもしてくれて、たくさんの助言をくれます。

◯助産院は病院じゃないのに緊急時は大丈夫なの?

これは私も助産院にお願いする前に、一番気になっていたこと!!

初めてのお産で何があるかもわからず、とにかく医療器具がある病院の方がいいんじゃないかと思っていました。


まず大前提として、助産院には提携している嘱託病院が必ずあります。

そして助産院は経験豊かな助産師さん方で運営されています。

そういった万全の態勢のうえで、出産に関わる全ての人たちが絶対的なルールとして持っていることが「母子の安全最優先」です。

通院中もしくは出産中に経過が芳しくなく、助産師さんからこのまま助産院で産むことが難しいとの判断が出た場合は嘱託病院での出産になる場合があります。

助産院にお務めの助産師さんは、その仕事柄、通院される妊産婦と接する時間が長く濃密ですので、ベテランの方が多くいらっしゃいます。

そしてほとんどの場合、病院で出産しなければいけないケースがあれば事前に察知してくれます。

お産中に救急で病院に運び込まれるということはまずないと考えてよいでしょう。

そういったケースが母体に想定されれば、ほぼ間違いなく助産師さんはお産前にそれを発見できます。

綾野剛さんのドラマ、コウノドリ第1シーズン7話のエピソードはまさにそのようなお話ですので機会があれば是非一度ご覧になってみて下さい。

「産み方」は最優先ではなく「母子の安全」が最優先であることは絶対ですので、ここはママもよく理解しておきたいところです。

この国で唯一、女性しかなることのできない国家資格が助産師です。

バースあおばの皆さんは、本当に誇りを持ってお仕事をされていました。

全国津々浦々、ほかの多くの助産院でも皆さん同じ思いで日々妊産婦に接していらっしゃることと思います。

なので、助産院で産む選択をされるママさんは安心して任せることが何よりも大切だと思います。


◯助産院での出産費用について

市区町村の窓口でもらえる妊婦健診補助券もちゃんと使えます。

個人産院やクリニックより助産院での出産費用は安いです。

一般的な病院(東京・神奈川)での出産と変わらない55万円~60万円の間で収まるケースがほとんどのようです。(2018年頃の話)

この費用の幅は「出産が日曜祝日の場合は+1万円、夜間の場合は+2万円、ほかに出産中に止血等で投薬があった場合などの費用」等々で、各産院によってバラつきはあるでしょうが、おおよそこのくらいの費用幅という目安です。

国から出産育児一時金が42万円支給されますので、これらの差額が実費ということになります。


私が助産院をオススメする最大の理由

通常の病院やクリニックとは違い、ママと助産師さんとの距離がとても近いので話しやすく、相談もしやすい!

これかなり重要だと思うんです!

これから今まで経験もしたことない出産に挑むわけですから、出産前のマイナートラブルで悩むのか? 産後のおっぱい状況で悩むのか? 産後の新生児のお世話で悩むのか? 自分がどんな壁にぶち当たるのか、もう全然想像もできません。

そしたら、「うーん。どうしよう…」と思った時に、気軽に電話して相談ができる関係の助産師さんがいたら、この上なく安心じゃないですか?

バースあおばの助産師さんは、血圧測りながら、テルミー温熱療法しながら、ずっと話をしてくれました。

「今日は検診で来たのに、助産師さんとお話ししに行くのがメインだったかしら?」と思うくらい、いっぱいいっぱい話をしました。

そのいっぱい話している間に、悩みを聞いてもらったり、妊婦で元気よく過ごす為のポイントだったり、安全なお産をする為の知識を教えてもらったりしました。

たくさん話をしたので、仲良くもなり、信頼をし、相談できる間柄に自然となっていきます。

私はこの、妊娠出産に関するエキスパートを相談相手に持てるということが、助産院で産む一番大きなメリットだと思っています。

◯ちょっと小話

我が家のエピソードです。

何故、我が家が助産院を選んだか?というと。

私が次女を妊娠していた時、当時2歳だった長女は赤ちゃんが生まれてくることを全く喜んでいない様子でした。

「ほら。今ママのお腹には赤ちゃんがいるんだよ。さすってあげて」と言うと、今まで笑顔だったニコニコ顔が急に真顔になるほど露骨に喜んでいませんでした。

そして、当時私は大きい市民病院で出産予定でした。

そこの市民病院では、寒い時期だったせいか15歳以下の子供の面会がとても厳しかったのです。

子供は病室に入ることができませんので、本や雑誌、テレビが置いてある談話室でママと面会をします。

生まれたばかりの赤ちゃんは乳児室にいるのでガラス越しから見届けます。

なので長女は、産まれたばかりの妹を触ったり抱っこしたりするのは、退院後の自宅が初めてになってしまうのです。

なので私は困ってしまいました。

2歳の長女は、

ママのおなかの中に赤ちゃんがいるということは理解しているのに喜んでいないこの状況で、

「ある日突然ママがお腹痛いと言ってお家からいなくなって、5日後くらいにやっと帰ってきたと思ったら知らない子を抱いて帰ってきて、しかもその日からその子の面倒ばかりみている・・・」

と、長女の目にうつったら…

考え抜いた私は「言葉で説明するのが難しいのなら、是非見て体感してもらおう!」ということで、2歳の長女も立ち会える助産院に出産場所を決めたのが始まりです。

出産時、パパの膝の上にいた彼女は思いのほかちゃんと出産を見守ってくれました。

おかげで、いま産まれたばかりの赤ちゃん見せながら「ほらね、この子もあなたと同じママから出てきたんだよ。家族だよ」って言ってあげることができました。

そのおかげかどうかはわかりませんが、産後のお姉ちゃんに特段ひどい赤ちゃん返りはなく、いまでも姉妹でとても仲良しです。

後日談ですが、お姉ちゃんが4歳になったばかりの頃、向こうの部屋で「うーん。うーん。」と可愛らしいうなり声が聞こえたので覗いてみたら、なんとセーターのお腹のところに風船をいれて仰向けになってお腹を抑えて「うーん。うーん。」とうなっていました。

その足下にはポポちゃんというベビー人形が置いてあったのです。

出産の神秘的パワーは、言葉なくてもしっかり彼女の心に響いて残っていたようです。

現在長女は6歳で、すでに「りーちゃんも早くお母さんになりたいな。子供を育ててみたい。その時は男の子1人と女の子1人がいいな。だって楽しそうじゃない。」と言っております。笑

将来はきっと素敵な母になってくれるだろうと娘を微笑ましく見守っています。

助産院のメリットは本当にたくさんあるように思います。



いかがでしたでしょうか?

「ママと赤ちゃんの力で、自然に産む」と一言でくくってしまいましたが、本当に体験してみるとこんなに違うのかと、大発見なんです。

とにかく!!「ママと赤ちゃんの力で、自然に産む」ってすごく気持ちがいいのです!!

産むギリギリまで、洗濯物干したり、薪割りしたり、浜辺で子供と遊びながら、いきみ逃しをして「あ。もう出るな!」と思ったら産院へ向かう。

助産院で出産経験のあるママ達は、上手に産んでいるなという印象があります。

自然の力で出産しているママたちの感想はだいたいみんな「気持ちがいい」と答えます。

だから、「産めって言われたら100人産めちゃう」と言いながらにっこり笑うママもいる。

それくらい、自然なお産は気持ちいいので、産後のママはキレイです。

是非、お近くの助産院を検索して、検討してみてね❤️

自然なお産は気持ちがいい!!

自然なお産を後押ししてくれるのが助産院!!

↑これだけ覚えといてね。




ではまた次回。

ニューボーンフォト出張撮影 Baby+Simple 西島マリ
東京町田・川崎新百合ヶ丘を拠点に、横浜/藤沢/相模原/八王子/東京23区へも出張致します。